2005年10月01日（土）〜2005年11月13日（日）

岩瀬文庫の西尾資料を読む(一)

会期: 2005年10月01日（土）〜2005年11月13日（日）
料金: 入場無料

展示解説: 10月15日(土)
古文書講座: 11月5日(土); 「西尾の史料をよんでみよう」
秋の文化財公開: 10月22日(土)　岩瀬文庫旧書庫(国登録有形文化財)

岩瀬文庫は誰のためのもの?

　貴重な古典籍を求め、全国から研究者が訪れる岩瀬文庫。しかし正直なところ、西尾市民のみなさんにとっては、「難しそう」「専門家じゃないからわかんない」「すごい本があることは知ってるけど…」と、なんだか「親しみやすい」場所とは言い難いようです。

　じつは、岩瀬文庫は地元、西尾資料の宝庫です。創立者の岩瀬弥助は、広い視野で全国から上質な書物を集めましたが、一方でふるさと西尾の教育と文化の向上のため、積極的に郷土資料を収集しました。特に、近代化の波の中で失われつつある西尾藩時代の記録や城絵図を旧藩士から借りて書き写すなど、地道な資料収集を行っています。また旧西尾藩の関係者や地元文化人たちも、著書や蔵書を寄贈し、文庫の充実のために大いに協力しました。これらの本は、目録に「三州(=三河)史料」という特別枠が作られ、分かりやすく管理されました。

　弥助や協力者たちは、誰よりもふるさと西尾の人たちに、岩瀬文庫の本を読んでもらいたかったに違いありません。

専門家じゃないと読めないの?

　岩瀬文庫の蔵書は、18歳以上の方なら誰でも読むことができます。もちろん古くて貴重な本ですから、そのための配慮は必要ですが、守っていただくルールは簡単です。「でも、くずし字が読めないし･･･」という方も多いdしょうが、いわゆる「ミミズがのたくったような」字の本ばかりではありません。なつかしい写真入りの近代の活字本もありますし、江戸時代の本にも、私たちが普段使っている楷書体の本がたくさんあります。一度手に取ってみれば、意外と「読める」ことに驚くはずです。

　多彩な蔵書も大きな魅力です。本展の図録「岩瀬文庫の西尾史料目録(一)」には、それぞれの本の大まかな内容が紹介されています。また、とくに活字や楷書体の読みやすいものには印をしました。きっと、あなたにも興味のある、楽しめる本が見つかることでしょう。

　本展が、市民の皆さんがこれまで以上に岩瀬文庫に親しみ、じっさいに蔵書を読み、楽しんでいただくきっかけになれば、大変うれしく思います。

■出品目録

西尾城・西尾藩

1.『西尾城由来記』(87-12)/2.『西尾城郭覚書』(131-29)/3.『幡豆郡古瓦譜』(50-12)/4.『西尾藩雑記録』(109-94)/5.『西尾分限帳』(52-224)/6.『従山形西尾へ所替ニ付引料定其他雑々』(172-8)/7.『御手判向』(102-25)/8.旧西尾藩主の伝記『乗全年譜草稿』(162-123)と『松平乗秩年譜草稿』(63-69)/9.『参陽松平御伝記』(75-15)/10.旧西尾藩士の伝記『士習年譜』(78-43)　訂正『前西尾藩大参事川住君事跡考』(83-15)　『張卿加藤先生』(92-71)　『似水公私明細記』(78-44)/11.『三河德川歴代』(76-23)

『西尾城由来記』

『西尾分限帳』

『西尾城郭覚書』

戦乱の時代

12.『三川日記』(128-74)/13.『岡崎領主古記』(131-29)/14.『三州　本願寺一揆兵乱記』(149-55)/15.『旧考余禄』(5-124)/16.『家忠日記』(112-76)/17.『今川記』(109-25)/18.『大河内御系譜輯録』(166-162)/19.『大津氏系譜』(141-77)/20.『加藤嘉明公御記録』(96-66)/21.『御外戚伝』(126-100)