火事
火事と日本人のかかわり 1000年
建物に木材を多用してきた日本の人々にとって、火事は常に身近な存在でした。
現在の私達は、火事にいつもおびえる生活をしているわけではありません。しかし、いつの時代もそうであったのではなく、現在にいたるまでには、多くの人々の努力や犠牲、苦労がありました。本企画展では、そのような火事と日本人とのかかわりを、平安時代から明治時代までの、およそ1000年間の歴史をおってみていきます。
名も知れない過去の勇敢な「消防士」に思いをはせ、あわせて日々の火災予防をあらためて考える機会となれば幸いです。
- 会期
- 2016年11月12日(土)〜2017年1月29日(日)
- 料金
- 入場無料
- チラシはこちら。
- 展示品目録はこちら。
- 図録正誤表はこちら。
- ◆関連イベントなど◆
- ○消火器のルーツ展および防火作品展
- 明治・大正頃の消防器具や、児童による
- 消防自動車の写生作品を展示します。
- 主催/西尾市消防本部
- 日時/11月15日(火)〜翌1月29日(日)
- 写生作品展は12月15日(木)~29年1月20日(金)
- 場所/岩瀬文庫 1F市民ギャラリー
- ○展示解説
- 日時/11月26日(土)午後1時30分〜
- 場所/2F企画展示室
- ○古文書講座
- 「古文書を解読して江戸時代の
- 消防について知ってみよう」
- 日時/平成29年1月8日(日)
- ①午前10時〜11時30分
- ②午後1時30分〜3時
- ※①②ともに同じ内容です
- 定員/①②ともに30名
- 場所/岩瀬文庫 地階研修ホール
- ※要予約
- 12月17日(土)午前9時より予約受付開始
- 電話または直接文庫2Fカウンターへ
- 資料代/100円
- ○関連講座
- 「火事と日本人のかかわり 1000年」
- 講師/当館学芸員
- 日時/平成29年1月22日(日)
- 午後1時30分〜
- 場所/岩瀬文庫 地階研修ホール
- ○岩瀬文庫連続講座
- 史料から歴史の謎を読み解く2016
- (「日本目録学の基盤確立と古典学研究支援ツールの拡充」
- 研究グループ共催)
- 第1回「牛車絵の世界 〜王朝貴族の乗物文化〜」
- 講師/木村真美子氏(学習院大学史料館客員研究員)
- 日時/平成28年12月4日(日)
- 午後1時30分〜
- 場所/岩瀬文庫 地階研修ホール
- ※予約・料金不要です
共催 西尾市消防本部
1章 古代・中世の火事と消防
古代・中世は、消防の未熟な時代だった。
古代・中世の人々は、火事に「あきらめ」の気持ちが強かったようだ。火事を経験し、世の中の無常をおもい、仏道にすすむ人もいた。防火をもとめて、神仏にいのることも少なくなかった。
それでも中世では、わずかながらも防火の意識や対策がうまれてきた。
2章 江戸時代の火事と消防
江戸時代は、消防の組織や技術が発展した時代だった。
火事に関する文化や文学が生まれた事も見逃せない。定火消(じょうびけし)や武家側の火消は、華麗な火事装束で火事場に臨んだ。大火災後には、人々の喜怒哀楽を描いた文学作品がいくつも生まれた。
3章 火事と信仰
江戸時代は、消火・防火の技術が高まり、制度や組織がととのった時代だった。一方、人々の消火・防火(火伏せ)への信仰はおさまるどころか、むしろ高まっていった。
代表的な信仰に、秋葉信仰と愛宕信仰がある。
合理的に防火につとめたり、消火・防火の技術を高めたりする事と、神仏に頼る事とは、矛盾せず受け入れられていた。
4章 明治時代の火事と消防
明治時代は、水が初めて消防の主役となった時代だった。
西洋の技術を取り入れ、より大量に安定的に水を放水できるポンプが導入されていった。
消防職員には二種類あった。一つは警察の官庁の役人。常勤で、洋装で帯刀し、西洋的な技術を用いた。他方は彼らの指揮下の消防組(しょうぼうぐみ)。非常勤で、平時は鳶職。伝統的な服装や技術を用いた。