2015年12月12日(土)〜2016年2月21日(日)

<茨木のり子没10周年> 詩人茨木のり子とふるさと西尾

「倚(よ)りかからず」「自分の感受性くらい」「わたしが一番きれいだったとき」などの詩で、今なお多くのファンに愛される詩人茨木のり子の没10周年にあたり、特別展を開催します。

茨木のり子(本名・三浦のり子/旧姓宮崎)は、大正5年(1926)に大阪で生まれ、6歳の時に医師である父の転勤によって愛知県西尾町(現西尾市)へ移り住みました。小学5年生のとき日中戦争が勃発、西尾高等女学校で良妻賢母教育と軍国主義教育を一身に浴び、東京の帝国女子医学・薬学・理学専門学校(現東邦大学)に進学するも、戦況の悪化から空襲と飢えに翻弄されて学徒動員された軍需工場で敗戦の日を迎えました。
戦後、世の中のあらゆる価値観が逆転する様を目の当たりにしたことで、自身も文学の道への転換を決意。24歳で詩作活動を開始すると、川崎洋と同人「櫂」を結成し、谷川俊太郎・岸田衿子・大岡信らともに詩壇を牽引して、「現代詩の長女」と称されました。
凛とした強さや優しさ、ユーモアにあふれた詩は、多くの読者の心を捉え、第8詩集『依りかからず』は詩集として異例のヒットを記録しました。いくつかの作品は教科書にも掲載されています。また、「花の名」「お休みどころ」など、故郷西尾に関する詩も少なくありません。
本展では、こうした茨木のり子の詩の世界を改めてご紹介するとともに、少女時代を過ごした西尾での足跡、ふるさとの人々との交流のようすについてもご覧いただきます。

会期
2015年12月12日(土)〜2016年2月21日(日)
料金
入場無料