鳥類写生

ちょうるいしゃせい未-181冊 江戸時代

上:コケラツツキ 下:カワセミ


 瑞紅(ブンチョウ)や鸚鵡(オウム)、百舌鳥(モズ)、紅靏(トキ)、鳧(カモ)、十二黄(レンジャク)といった色とりどりの美しい鳥たち五十三種が描かれた色紙が貼り込まれた画帖。各図には、その鳥の大きさのめやす、描き方、色の塗り方などのこまかな注意書きがあります。

 例えば、右上の「コケラツツキ(コゲラ)」は、「雀ヨリ小ナリ 目クチバシ足 草ノ具 セナニ少シ朱ノ毛有・・・腹ワ藍ズミ草ボカシ ウスズミフヲうつ打 同毛書」(スズメより小さく、目・くちばし・足は薄青色 背に少し朱色の毛がある・・・腹は藍墨色に草色のボカシを入れ、薄墨で斑点をうち、同様に毛書きをする)と、誠に細やかです。おそらく絵師の粉本(絵手本、覚書)と思われますが、的確で緻密な筆づかいや彩色による羽毛の描写は特に美しく、完成度の高い作品に仕上がっています。

5月10日~16日は愛鳥週間。鶴城公園の小鳥たちといっしょに、岩瀬文庫前モニュメントの鳥たちが皆さんをお待ちしています。


トキ

ホトトギス