西尾分限帳

にしおぶげんちょう52-2241冊

 「分限帳」(ぶんげんちょう・ぶげんちょう)とは、江戸時代、大名の家臣の名前、禄高(ろくだか)、地位、役職などを記した帳面のことです。本書は、版籍奉還直前の明治2年の時点の西尾藩の分限帳で、いわゆる藩士(武士)だけでなく、御用達(ごようたし)商人、お抱え職人、町庄屋など、当時西尾藩から禄(給料)をもらっていた826人の名が記されています。西尾藩の分限帳は、ほかに明和(前半欠)、嘉永、弘化(後半欠)の頃のものが知られています。

 西尾藩の解体によって、こうした藩政時代の記録は消滅の危機をむかえました。明治12年、もと西尾藩校修道館(しゅうどうかん)の司事であった相沢公平(あいさわこうへい)は、これを惜しみ、この分限帳を再現して、旧藩主の松平家へ贈りました。その後、本書を西尾の人がより活用できるようにと、元藩士で松平家家令(かれい)の川住鋥三郎が写し2部を作成し、岩瀬文庫へ寄贈したのです。


「我が家はもと西尾藩士」という方はぜひ一度ご覧ください。御先祖の名前があるかも…。