縁起の不思議な世界
「縁起物」「縁起が良い」などで知られる「縁起」という言葉。縁起には、寺社・神仏・高僧の、起源・歴史・伝記という意味もあります。中世から近世にかけて、時に美しい文字やあざやかな絵を用いながら、たくさんの縁起が作られました。その中には不思議な話や絵が多く、読む者、見る者を魅了してやみません。今回の展示ではそんな縁起の不思議な世界をご紹介します。
- 会期
- 2017年4月22日(土)〜2017年6月25日(日)
- 料金
- 入場無料
- チラシはこちら。
- 展示品目録はこちら。
- 展示解説
- 日時/6月10日(土)午後1時30分〜(約40分間)
- 場所/2F企画展示室 (予約・料金不要)
- 古文書講座
- 「縁起を読んでみよう」
- 日時/6月18日(日)
- ①午前10時〜11時30分 ②午後1時30分〜3時
- ※①②ともに同じ内容です
- 定員/①②ともに30名
- 場所/岩瀬文庫 地階研修ホール
- ※要予約。6月3日(土)午前9時より予約受付開始。
- 電話または直接文庫2Fカウンターへ。
- 資料代/100円
- 体験講座
- 「和装本を作ってみよう」
- 日時/6月4日(日)午後1時30分~3時
- 定員/20名(要予約)
- 参加費/200円(材料費)
- 場所/岩瀬文庫 地階研修ホール
- 対象/小学生以上。針を使用するため、小学生は保護者同伴です。
- 未就学児は入場不可。
- 申し込み・問合先/5月13日(土)午前9時より
- 電話または直接文庫2Fカウンターへ。
1章 高僧の縁起
鎌倉時代後期から作られ始めた高僧の縁起絵巻。その後も様々な形態で複製が作られ、信仰を広めていきました。不思議な体験を随所にのせ、神仏にも認められた特別な存在である事を強調します。
「融通念仏」を広めた良忍、および御利益を受けた人々を描く。
日本曹洞宗の開祖道元の生涯を絵と漢文で表す。僧侶や檀家の奉賛のため刊行。
2章 縁起の様々なカタチ
縁起には様々なカタチがあります。巻物や冊子体、漢文や仮名文、筆写や印刷などです。時代や布教の仕方の違いなどによりカタチはかわります。古代以来の縁起の様々なカタチをご覧いただきます。
菅原道真が天神となる以前の、誕生から左遷までをあざやかな絵や文字で描く。
信濃善光寺如来の略縁
起。如来像の三国伝来
の壮大なストーリーが、
簡単な絵と短い文で記
される。宿坊の最勝院
により刊行。
平安時代、多度神宮寺
が国の機関に提出した
縁起・財産目録。創建
由来を淡々と楷書体の
漢文で記す。
3章 小さな縁起 ―略縁起(りゃくえんぎ)の世界―
略縁起は、正式な縁起を簡単にまとめたものです。江戸時代、庶民が寺社参詣の折に買い求めました。略縁起は、信仰を広めたい寺社と御利益に預かりたい庶民とを結ぶものといえるでしょう。岩瀬文庫は国内有数の所蔵数を誇ります。その中のほんの一部をご紹介します。
寺社で参詣者が求めた
時の状態のままの略縁
起。多くは表紙を付け
紙縒(こより)で綴じ
る。
尾張国根高(ねだか)
村釜地蔵尊(かまのじ
ぞうそん)(現愛知県
愛西市)の縁起。後妻
が継子を釜で煮殺そう
としたが、地蔵像が身
代わりとなるという話。