〈資料が語る〉地震災害
日本列島は火山帯の上に位置しており古来から多くの地震が私たちの生活を脅かしています。近年でも平成7年の阪神淡路大震災、平成16年の中越地震で甚大な被害を蒙りました。また、海外でもスマトラ沖地震、中部ジャワ地震などが起きるなど、各地で人々の生活を脅かしています。こうした大地震による家屋の崩壊、火災、山崩れ、津波による被害など、一旦地震が起こるとその被害は甚大なものがあります。むかしから「地震・雷・火事・親父」といって、怖いものの代表格にあげられているのが地震です。
今回の展示では、岩瀬文庫資料の中から地震に関係する資料を取り上げます。とりあげる時代は飛鳥時代から大正時代にかけてです。どこでどのような地震が起き、その被害の度合いはなど、文字として記録された古の地震について学んでいきましょう。
- 会期
- 2006年11月17日(金)〜2007年1月21日(日)
- 料金
- 入場無料
- 展示解説
- 12月2日(土)・1月13日(土)
- 古文書講座
- 1月20日(日) 江戸時代の災害記録を読んでみよう
いにしへ(江戸時代以前)の地震
記録が残されるようになると、地震も特異な出来事として、記録されるようになります。律令国家が編さん事業をおこなった正史(六国史)のなかにはいくつもの地震の記事が見られます。現在、文字記録として残る最古の地震は、そのうちの『日本書紀』に記された允恭(いんぎょう)5年(416)7月14日(新暦8月23日)に起こった地震です。
<出品資料>
・日本書紀(97-42) 推古天皇7年(599)4月27日(新暦8月23日) 天武天皇13年(684)10月14日(新暦5月27日)
・続日本紀(150-172) 霊亀元年(715)5月25日(新暦7月5日) 天平17年4月27日(新暦6月5日)
・三代実録(31-60) 貞観11年(869)5月26日(新暦7月13日) 仁和3年(887)7月30日(新暦8月26日)
・鴨長明方丈記(152-174) 元暦2年(1185)7月9日(新暦8月13日)元暦京都地震
・お湯殿の上の日記(66-42) 明応7年(1498)8月25日(新暦9月20日)明応地震
・続史愚抄(104-100) 天正13年(1586)11月29日(新暦1月18日)天正地震
江戸時代の地震
江戸時代になると出版が盛んになったこともあって、さまざまな記録が残るようになります。現在わかっている江戸時代の大地震は190件にものぼります。ここからは文庫資料の中から、地震ごとにその記録を示していくことにしましょう。
元禄地震
元禄16年(1703)11月23日(新暦12月31日)丑刻(午前2時頃)
『地震記』(27-78)・『大地震歴年考』(103-52)・『折たく柴』(4-72)
雲仙普賢岳噴火及び地震
寛政4年(1792)4月1日(新暦5月21日)酉刻(午後8時頃)過ぎ
『肥後肥前変』(127-57)
文政京都地震
文政13年(1830)7月2日(新暦8月19日)申刻(午後4時頃)
『地震日記』(40-76)・『地震考』(15-60)
越後三条地震
文政11年(1828)11月12日(新暦12月18日)卯の下刻(午前9時頃)
『警余録』(95-86)・『大地震暦年考』(103-52)
善光寺地震
弘化4年(1847)3月24日(新暦5月8日)夜五ツ時~四ツ時(午後9時頃)
『信州地震実記』(34-76)・『信濃大地震図』(138-16)
安政伊賀上野地震
安政元年(1854)6月15日(新暦7月9日)丑刻(午前2時頃)
『嘉永甲寅六月地震記』(16-110)
安政東海地震・安政南海地震
安政元年(1854)11月4日(新暦12月23日)五つ半(午前9時頃)・11月5日(新暦12月24日)申の中刻(午後4時頃)
『地震海溢記』(1-101)・『地震津波末代噺の種』(140-3)
安政江戸地震
安政2年(1855)10月2日(新暦11月11日)亥の刻(午後10時ころ)
『世直し細見』(140-8)・『安政見聞誌』(102-144)・『安政見聞録』(91-240)
明治・大正時代の地震
濃尾地震
明治24年(1891)10月28日午前6時38分
『濃尾震災図』(寅-307)・『濃尾震誌』(163-148)
桜島地震
大正3年(1914)1月12日午後6時28分
『桜島大正噴火誌』(167-72)
関東大震災
大正12年(1913)9月1日午前11時58分
『震災画報』(158-83)・『関東震災画報』(巳-78)・『張込帖』(50-10)
但馬地震
大正14年(1914)5月23日午前11時9分
『北但震災誌』(98-123)