2017年9月09日(土)〜2017年11月12日(日)

新発見。新知見。 Ⅱ

~新編西尾市史中間報告展Ⅱ~

西尾市の歴史・文化・風土を明らかにし次世代へと伝えるため、『新編西尾市史』の編さんプロジェクトが進められています。その中核となるのが、歴史資料の発掘と再検証です。これらは、西尾の地で過去に起こった出来事や、先人たちがどのような生活を送り、どんな文化が花開いたのかを雄弁に物語ります。
本展では、昨年開催のⅠに引き続き、市史編さんに携わる多彩な分野の専門委員が21の新発見や新知見をご紹介します。西尾の歴史の新たな魅力と謎をご堪能ください。

会期
2017年9月09日(土)〜2017年11月12日(日)
料金
入場無料
休館日
祝日を除く月曜日・9月21日(木)~27日(水)・10月19日(木)
展示解説
9月16日(土)
特別講座
10月1日(日)
市史編さんの現場からⅡ
①「年輪から国宝金蓮寺弥陀堂の年代を読む」光谷拓実氏(奈良文化財研究所客員研究員)
②「佐久島の弁財天坐像について」 見田隆鑑氏(椙山女学園大学准教授/美術工芸・建造物部会執筆員)
パネル展「新編西尾市史 自然部会 中間報告展」
①9月13日(水)~10月8日(日) 岩瀬文庫市民ギャラリー
②10月14日(土)~10月31日(火) 西尾いきものふれあいの里 ネイチャーセンター
③11月8日(水)~11月29日(水) 西尾市役所 市民ロビー
自然部会 中間報告会
10月21日(土) 西尾いきものふれあいの里 ネイチャーセンター

本展開催に寄せて


平成25年度から『新編 西尾市史』の編集が始まる中で、新しく発見された資料について、いち早く報告するのが本展の目的です。
開催される場所は岩瀬文庫です。西尾市民の方々にとって当然のような存在ですが、実はまれに見る貴重な知識の宝庫です。もともと個人の力によって、様々な所蔵先から多くの貴重な書籍が買い集められ、収蔵されてきたものです。
今回は21点の資料を展示します。その中には、「満国寺版木活字」と称する木製の活字が含まれています。幕末から明治初期にかけて、旧一色町満国寺の住職が出版事業のために、浄財を集めて作製させたものです。書籍の出版や蒐集という、知識に対する造詣の深い文化が、脈々と醸されてきた西尾市の伝統を語るものでしょう。

金田章裕(新編西尾市史編さん委員長/京都大学名誉教授)

21の新発見と新知見

01新発見。 火祭りの舞台は古代寺院の跡地
軒平瓦 鳥羽神宮寺跡出土  
永井邦仁 考古部会調査員/愛知県埋蔵文化財センター
02新発見。 壷形埴輪をめぐらした方墳 ―善光寺沢南古墳―
壺形埴輪 善光寺沢南古墳出土 
黒澤 浩 考古部会執筆員/南山大学教授
03新発見。 見守りつづけた海の女神
<写真展示>弁財天坐像・十五童子像 佐久島弁財天(一色町佐久島)蔵 
小川 雄 古代・中世部会執筆員/日本大学非常勤講師
04新発見。 皇女と同格?三河吉良氏子女の家格の高さを物語る史料発見!
―岩瀬文庫に眠っていた漢詩文集から分かったこと―
『春浦金口説』西尾市岩瀬文庫蔵 
小林輝久彦 古代・中世部会調査員/大倉精神文化研究所研究員
05新知見。 借金に苦しむ西尾藩の打った手は。
「頼母子口組帳并高掛等」 市子町磯貝家文書 
堀江登志実 近世部会執筆員/岡崎市美術博物館副館長
06新発見。 瀬門神社の雨乞い
「宝暦八寅年雨請覚」 瀬門神社(吉良町瀬戸)蔵 
齋藤夏来 近世部会執筆員/名古屋大学教授
07新知見。 教育普及のための褒賞制度と勧学社
勧学社規則・勧学社第一報 中町鳥山家文書 
勧学社資金出納第九報 山下町新家家文書 
勧学社の褒賞状 吉良町今井家文書 
山下廉太郎 近・現代部会執筆員/朝日大学講師
08新発見。 兵士と郷里をつなぐもの―大量に発見された日露戦争の軍事郵便―
軍事郵便 吉良町瀬門村文書 
堀田慎一郎 近・現代部会執筆員/名古屋大学助教
09新発見。 あふれ出る青春の息吹―青年団報の世界―
各種の青年団報 西尾市教育委員会蔵 
岡田洋司 近・現代部会編集委員/元富山国際大学教授
10新発見。 殿、お見事でござる!!
小鍛冶図扁額 松平乗全筆 葵町稲荷社蔵/西尾市岩瀬文庫寄託 
神谷浩 美術工芸・建造物部会編集委員/名古屋市博物館副館長
11新発見。 押し絵扁額に込めた願いは?
花魁図扁額 葵町稲荷社蔵/西尾市岩瀬文庫寄託 
神谷浩 美術工芸・建造物部会編集委員/名古屋市博物館副館長
12新発見。 西尾藩主 松平乗全の隠居屋敷が判明!
旧西尾城絵巻 個人蔵/西尾市岩瀬文庫寄託 
神谷浩 美術工芸・建造物部会編集委員/名古屋市博物館副館長
13新発見。 月代のある鬼神面
鬼神面 幡頭神社(吉良町宮崎)蔵/西尾市岩瀬文庫寄託 
伊東史朗 美術工芸・建造物部会特別執筆員/和歌山県立博物館長
14新知見。 安泰寺の宝物 徳川家康の遺愛品2種 珍品と優品
[市]椰子実水飲・金紫銅之水容  安泰寺(東幡豆町)蔵 
小池富雄 美術工芸・建造物部会/鶴見大学文学部文化財学科教授
15新発見。 風来坊金谷。西尾に残る足跡。
封空禅耕像 宝珠院(吉良町吉田)蔵 
横尾拓真 美術工芸・建造物部会調査員/名古屋市博物館学芸員
16新発見。 奇人画僧の艶冶な画文
戯文・戯画「夕霧文章」 個人蔵 
塩村耕 学芸・文化部会編集委員/名古屋大学文人学研究科教授
17新知見。 幕末の三河で活字印刷が行われていた!
満国寺版木活字 満国寺(一色町味浜)蔵 
塩村耕 学芸・文化部会編集委員/名古屋大学人文学研究科教授
18新発見。 花岳寺に眠っていた貴重な出版史資料
『自笑録』版木預かり証文 花岳寺(吉良町岡山)蔵 
塩村耕 学芸・文化部会編集委員/名古屋大学人文学研究科教授
19新知見。 巡りの世界を探し求めて―幡豆・吉良における三禅定と立山信仰の軌跡―
<写真展示>立山禅定絵馬 東幡豆町山内神社蔵/「山禅定道中記」牧野栄助著 幡豆歴史民俗資料館蔵
野本欽也 民俗部会編集委員/岡崎むかし館主任専門員 
伴野義広 民俗部会調査員/幡豆歴史民俗資料館
20新知見。 「コダイアマモ」の正体
「コダイアマモ」 西尾市教育委員会蔵/西尾市岩瀬文庫保管 
内田義和 自然部会執筆員/岡崎学園高等学校副校長
21新発見。 三河湾のトロール網に掛かった貝殻は縄文時代の巨大なアカニシの半化石
アカニシガイ(半化石)/アカニシガイ(現生種) 
川瀬基弘 自然部会執筆員/愛知みずほ大学人間科学部講師

旧西尾城絵巻




軒平瓦 鳥羽神宮寺跡出土

小鍛治図扁額

軍事郵便




戯文・戯画「夕霧文章」


宝暦八寅年雨請覚

アカニシガイ(半化石)

「コダイアマモ」




封空禅耕像

鬼神面

[市]椰子実水飲・金紫銅之水容




青年団報

満国寺版木活字


本企画展図録のご紹介

A4 24ページ 110g 500円 残部僅少です
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