名飯部類

めいはんぶるい27-422冊 江戸時代後期 写本

 江戸時代の中頃から、多彩な料理本が次々出版されるようになりました。世情が安定し、食事を楽しむことのできる人々が現れてきたためでしょう。


秋の味覚 松茸めし

 本書は、享和2(1802)年に杉野権兵衛が刊行した米飯料理本の転写本です(もとになった版本は現存しません)。上巻は尋常飯(ただごとめし)の部・諸菽飯(まめめし)の部・菜蔬飯(なめし)の部・染汁飯(そめめし)の部・調魚飯(うおめし)の部・烹鳥飯(とりめし)の部・名品飯(めいはん)の部に分けた87品が、下巻は雑炊(ぞうすい)の部・糜粥(かゆ)の部・鮓(すし)の部・完魚鮓(まるずし)の部と調理法別に分けた62品の作り方が掲載されています。また巻頭には、調理法や具材によって適した米の産地まで記され、著者のご飯に寄せる並々ならぬ熱意がうかがわれます。




 この本は活字の復刻本も出ています。新米のおいしい季節、チャレンジしてみてはいかが?古くて新しい“日本の味”に逢えるかも。


名品飯の部 目次

小禽ぞうすい




 ◆茶どころ西尾にちなみ、「利休飯(りきゅうめし)」を紹介します。◆
①土釜で湯を沸かし、信楽(しがらき)の極上煎茶をさっと煮る。②これを炊水(しかけみず)にしてご飯を炊く。③だし汁をかける。④加料(やくみ)に浅草海苔や茗荷(みょうが)の微塵(みじん)切りをのせて出来上がり。