尚占影響

しょうせんえいきょう95-412冊

 江戸時代後期に関西で活躍した占い師、松井羅州(まついらしゅう 1751~1822)が書いた易占いの実例集。実際に依頼者から寄せられた相談に対して羅州先生が占い、出た卦をもとにさずけた判断の数々です。



 相談の大部分は、健康や商売のこと、人間関係(おもに結婚や養子縁組の吉凶)、生まれる子供が男か女か、失せもの探しなど。なかには、「家を担保に借金をしたが、金を返せない。少しでも返して待ってもらった方がよいか、いっそのこと家を渡してしまった方がよいか」、「娘を嫁に出したが、その夫がひどい男だった。娘を取り返したいが、吉か凶か」、「商売がうまくいかない。いっそ見切りをつけて、俳諧の点者にでもなろうか、それとも養子にでも行こうか」など、人生相談のようなものもあります。江戸時代の庶民の悩みが赤裸々にわかる好資料です。


「長屋の井戸から猫の毛のようなものが出る。猫が落ちて死んでいるかもしれないので、井戸さらいをしたほうが良いか否か」この相談に対する羅州先生の答えは?!