すごろく

巳-2760冊

 近頃は、個々にゲームを興ずることも多くなったけれど、やっぱりお正月は家族みんなが茶の間に集まりにぎやかに過ごす。一家が集まる機会が少なくなった昨今、家族団らんは貴重な時間です。そんな時、みんなで遊べるのが「すごろく」。岩瀬文庫にも江戸末から明治にかけてのすごろくが多数所蔵されています。これらはいわゆる「絵双六」と呼ばれるもので、江戸時代に成立して全国津々浦々まで普及します。絵双六には題材によって、芝居・道中・名所・遊芸など実に様々な種類があります。多くの作品は、当時世界一といわれた多色刷木版技術、いわゆる浮世絵技法を用いたもので、百年以上たった現在でもその華やかさを味わうことができます。





「未六(=安政6年)改」

 この作品は、「月尽面白寿五禄(つきづくしおもしろすごろく)」で、「じゃれつき」「はねつき」など「つき」で終わる言葉と、そのイラストで埋め尽くされている言葉遊びの絵双六です。絵師は幕末から明治にかけて活躍した「一恵斎芳幾(いっけいさいよしいく 1833~1904)、横山町三丁目辻岡屋文助版。改印(検定済の印のようなもの)から安政6(1859)年の出版とわかります。




「ふりだし」は子供たちの羽根つきから。コマの中に、サイコロの目によって進むコマが指定される「飛び回りすごろく」です。


「さか月(盃)」「かなぼう月(金棒付)」「ねつき(寝付き)」など