節分及正月行事図

せつぶんおよびしょうがつぎょうじず95-1351冊 文化12年(1815)

 節分は立春の前日に行われる全国的な行事で、邪悪なものの象徴である鬼を、豆をまいて追い払います。邪気を追い、新年(旧暦の立春はお正月)を迎える宮廷の行事・追儺(ついな)が起源です。本書は、文化12年(1815)に節分の豆囃子役(まめやはしやく/豆まき係)を仰せ付けられた中条直右衛門という武士が、節分の行事や飾りなどを絵入りで記録した資料です。節分の朝は4時ごろに登城し、三方に盛った炒り豆を三粒ずつ、恵方(えほう/その年の縁起の良い方角。占いで決める)に向かって「福は内」と声高に囃しながら2回、次に鬼門に向かって1回「鬼は外」といいながらまきます。書院の床の間から始め、各部屋を巡り、最後に台所を終えると、ご褒美の酒と肴、吸い物などをもらいました。


居間におく豆飾りの図。三方に長熨斗(のし)2本、豆を盛った升を載せ、豆の上に「柊包(ひいらぎづつみ)」を置く。柊包は、柊の枝・いわし・豆がらを紙で包み、殿様方は青白の、お姫様方は紅白の水引で結ぶ。