2025年5月24日(土)〜2025年8月24日(日)

江戸の出版文化と蔦屋重三郎〜日本出版物語〜

岩瀬文庫企画展100回記念特別展(前期)

商業出版がはじまり、かつてない大量の本が生み出され、庶民の様々な文化が花開いた江戸時代。江戸の出版プロデューサー・蔦重こと蔦屋重三郎は、その立役者のひとりでした。「古典籍の博物館」である岩瀬文庫は、蔦重が出版した書物をはじめ、江戸の出版に関する書物を豊富に所蔵しています。
記念すべき100回目の展示となる本展では、岩瀬文庫の蔵書を通して、江戸時代の出版が発展していく様子を追うとともに、蔦重の活躍を紹介します。蔦重をはじめ江戸時代の人々が紡いできた出版の“物語”をご覧ください。

会期
2025年5月24日(土)〜2025年8月24日(日)
料金
入館無料
関連イベント
関連行事はこちら。

第1章 活字がもたらしたもの ~印刷から出版へ~

日本の印刷の歴史は古く、年代が確認できる最古のものは神護景雲4(770)年に印刷された「陀羅尼経」です。永らくは主に朝廷や貴族、大寺院などが仏典を中心に限られた部数を印刷するというものでした。
昔から日本で行なわれていた印刷は、一枚板を彫刻して版を作成する整版印刷という方法でした。ところが16世紀末、文字ごとに独立した活字を並べて版を作成する活字印刷がヨーロッパと朝鮮からもたらされると、印刷をめぐる状況は一変します。従来よりも手軽に本を印刷できるようになり、出版を行なう人や出版される本の種類が増え、より広範囲の人々が本に親しめるようになりました。


徳川家康が所有していた活字本 | 『礼記』(135-67)


人々に仮名文字を広めた古活字版 | 『〈嵯峨本〉伊勢物語』(76-12)



4_礼記


5_嵯峨本伊勢物語


第2章 上方から江戸へ ~華ひらく江戸の出版~

日本の商業出版は京都からはじまりました。次いで江戸、少しおくれて大坂にも広がっていき、この三都を中心に出版が盛んになりました。人工的につくられた都市である江戸は、当初、本をはじめ文化的な伝統や技術が乏しく、自分たちで本をつくる体制が整っていない状態でしたが、江戸の町が発展していくにつれて独自の本屋や本が生まれました。


京都の出版 |  『毛吹草』(38-30)


大坂の出版 | 『女重宝記』(22-83)



江戸の本屋 | 『三升増鱗祖』(119-66)


江戸の本 | 黄表紙



8_毛吹草


10_女重宝記


13_三升増鱗祖


18_黄表紙


第3章 蔦屋重三郎の活躍

蔦重こと蔦屋重三郎(1750~1797)は、江戸時代を代表する本屋です。吉原の出身で、はじめは吉原で貸本や本の販売を行ない、やがては本を出版する版元として吉原に関する本や大衆向けの娯楽本などを出版。のちに商業・文化の中心である江戸日本橋に進出しました。
また、蔦重は当時流行していた狂歌の世界に飛び込み交友を深めます。そうして得た人脈と版元の仕事を通して、名だたる作家や絵師たちを次々と世に送り出したのでした。



蔦重が初めて出版した吉原細見 | 『籬の花』(119-119)


多色刷りの遊女絵本 | 『青楼美人合姿鏡』(99-125)


狂歌流行を華やかに演出 | 『古今狂歌袋』(65-17)


蔦重作の黄表紙 | 『本樹真猿浮気噺』(119-175)


蔦重の姿が描かれる | 『箱入娘面屋人魚』(119-190) 


蔦重晩年の黄表紙 | 『身体開帳略縁起』(119-441)



23_籬の花


24_青楼美人合姿鏡


31_百人一首古今狂歌袋


38_本樹真猿浮気噺


40_箱入娘面屋人魚


46_身体開帳略縁起


関連行事

展示解説
【日時】
 ①5月31日(土)午後1時30分~
 ②7月12日(土)午後1時30分~
【会場】
 岩瀬文庫2階企画展示室 ※予約・料金は不要

講演会
①「蔦屋重三郎の足取り」
【日時】
 6月28日(土)午後2時~3時30分
【講師】
 鈴木俊幸氏(中央大学教授・NHK大河ドラマ「べらぼう」時代考証)
【会場】
 にししん文化会館 茶々っとホール(西尾市山下町泡原30)
【定員】
 300人 ※申込先着順
【参加費】
 無料
【申込】
 定員になりました。

体験講座「和装本をつくってみよう!」
日本の伝統的な本のつくりを学びながら、オリジナルの和装本をつくってみませんか?
【日時】
 7月26日(土)午後2時~4時
【会場】
 岩瀬文庫地階研修ホール
【定員】
 20人 ※要予約
【材料費】
 200円
【申込】
 6月21日(土)午前9時から電話または直接岩瀬文庫へ

古文書講座「蔦重が出版した本を読んでみよう!」
【日時】
 8月23日(土)①午前10時~11時30分 ②午後1時30分~3時 ※①②とも同じ内容です
【会場】
 岩瀬文庫地階研修ホール
【定員】
 各回30名 ※要予約
【資料代】
 100円
【申込】
 定員になりました。

大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」スペシャルトークショー in 西尾 ※申込は終了しました
【日時】
 9月23日(祝・火) 午後3時~4時30分
【会場】
 にししん文化会館 茶々っとホール
 (西尾市文化会館) 大ホール
【定員】
 1,000人 
 ※事前申込制。申込多数の場合は抽選
【内容】
プロローグ
「早指南!『大河ドラマ べらぼう』と西尾市岩瀬文庫」(約15分)
 解説:西尾市岩瀬文庫 文庫長
トークショー 
「大河ドラマ『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』スペシャルトークショー」
 出演:尾美としのり氏・風間俊介氏
    (朋誠堂喜三二役・鶴屋喜右衛門役)
 午後3時15分~午後4時30分
【参加申込】
(1)受付期間
  令和7年8月1日(金)~8月24日(日)
(2)申込方法
  「電子申請・届出システム」で申込受付。
  1人1回、2人分まで申込可。
  https://ttzk.graffer.jp/city-nishio/smart-apply/apply-procedure-alias/talkshow-nishio
※車いすでご来場のお客様は、申込の際に西尾市岩瀬文庫(0563-56-2459)へご連絡ください。
(3)参加通知
  抽選を行い、当選者に当選はがきを送付。
(4)その他
  ・無料でご観覧いただけます。
  ・座席は指定です。
  (当選はがきに座席を記載)
  ・キャンセル待ちの受付はありません。
(主催:西尾市・西尾市教育委員会 共催:NHK名古屋放送局)


本企画展図録のご紹介

A4 48ページ 243g 800円
完売いたしました。