古書の博物館 西尾市岩瀬文庫

お知らせ


第1回岩瀬弥助記念書物文化賞の受賞者が下記のとおり決定いたしました。なお、表彰式は5月6日(火・振休)に開催される岩瀬文庫100周年記念式典の中で行われます。

(五十音順)

浅川 征一郎(あさかわ せいいちろう)氏 (江戸文学書の校註・出版) 1941年生まれ 太平書屋社長

66歳 東京都文京区在住  長年にわたり太平書屋を主宰、近世期の軟派文学、狂歌狂詩、川柳などの稀書に光を当て、正確な解題・翻刻・校註作業を積み上げ、成果を公開してきた。自らも斎田作楽の筆名で、解題翻刻を手がける。

岩坪 充雄(いわつぼ みつお)氏 (日本近世書道史) 1960年生まれ 文京学院大学職員

48歳 東京都荒川区在住  江戸期に刊行された書道書・法帖類について、初めて総合的な研究の先鞭をつけた。従来の書道史と違い、その関心は広く版本や手本の類までに及ぶ。研究論文のほかに月2~3冊ペースで個人雑誌『東隅随筆』を発行するなど、精力的に研究を推進している。

後藤 憲二(ごとう けんじ)氏 (書誌学関係書の編集・出版) 1948年生まれ 青裳堂書店代表

60歳 東京都立川市在住  優れた鑑識眼と該博な知識とによって優良な古典籍を世に提供し続けてきた古書肆の主。一方、1978年より刊行を開始し、現在も刊行継続中の「日本書誌学大系」は、埋もれた良書・好論文の復刊も含めて、日本の書物文化研究に資する空前の一大叢書である。

藤本 幸夫(ふじもと ゆきお)氏 (朝鮮語学・朝鮮文献学) 1941年生まれ 麗澤大学大学院教授

66歳 千葉県柏市在住  日本全国各地の図書館、蔵書家によって収蔵されている、すべての朝鮮本の調査という前人未踏の企てに独力で挑み、『日本現存朝鮮本研究 集部』を刊行した。長年にわたる朝鮮本書誌研究の結実で、世界に誇りうる成果である。朝鮮本を多く保有する岩瀬文庫とも縁が深い。

若尾 政希(わかお まさき)氏 (歴史社会研究・日本社会史) 1961年生まれ 一橋大学大学院教授

47歳 東京都八王子市在住  活字化されたテキストに基づく研究が多い社会史・思想史において、江戸期の出版や読書という書物の世界を正面から論ずる。分野を超えた書物文化史の研究者の組織化にも取り組み、また講演や読み物を通して、一般社会に向けた情報発信活動を精力的に行っている。